【 サンケイスポーツ 掲載記事 】
2007.10.14
●阪神 3 -5 中日【名古屋ドーム】
[Climax Series チェック対談]
先発不安が最後まで
久慈 照嘉
八木 裕
八木 まずは、長いシーズンを戦い抜いた監督、コーチ、選手にお疲れさまと、言いたい。苦しい時期を乗り越え、 CS まで来たわけだから。
久慈 それだけに、最後は残念。また、一回がすべて、という試合でしたね。上園は力み過ぎ。打者に向かっていってたのは評価するけど、球は走っていなかった。新人で大舞台を経験できたことは収穫だったけれど。
八木 上園を責めるのは酷。 1 年生に大事な CS を任せざるを獲なかった先発の不甲斐なさを指摘したい。シーズンの課題だった先発の不安がそのまま出た。
久慈 1 シーズン戦って、規定投手回数に誰も達していないわけですからねぇ・・・。
八木 来季に向けて投手陣の再編がポイントになるね。 JFK の存在が前面に出過ぎて、先発の力を必要としない、いびつな投手編成になっていた。でも、やっぱり野球は先発が重要。
久慈 中日との差は、そこ。 2 試合ではっきりした。打線も中日先発投手陣の前に最後まで爆発しなかったし・・・。確かにエース級相手にはどのチームもそう打ててはいないけれど。
八木 結局、基本のストレートを打ち返せる打者が少なすぎた。これは、シーズンを通して感じていたことだけど、スイングが弱い。どうみても弱い。林や桜井は、いい形で“デビュー”したのに、終盤は小ぢんまり、という印象を持った。自分はこう打者になる、そのためのタイミング、ポイント、というものを追求していってもらいたいね。
久慈 彼らも来年に向けてフェニックスリーグ、来季キャンプで再出発するわけだけど、常に『一軍の試合で戦っている』つもりで、緊張感を持続させてもらいたい。中日との個々の力の差は決してないと思ってるんで。


2007.10.13
●阪神 0 - 7 中日【名古屋ドーム】
Climax Series チェック対談
久慈 照嘉 「大敗忘れ切り替えろ」
八木 裕 「短期決戦・・・第 1 球、第 1 打席はシーズン以上に考えて」
―― 絶対に落としたくない初戦。先制パンチを食らって、そのまま・・・
久慈 「 1 つのエラー(一回の関本)が、絶対に与えたくない先制点に結びついてしまった。緊張感もあっただろうけれど、短期決戦の怖さだなぁ。一気に一回で流れが中日にいってしまった」
八木 「短期決戦で一番大事なのは一回の入り方。そういう意味で阪神は、あっさり 3 者凡退になってしまった。第 1 球、第一 1 打席をどうするか、シーズン以上に考え臨んでほしかった」
久慈 「特に 1 番に入った鳥谷の状態は万全じゃなかったですねぇ。彼のスイングスピードにはほど遠かった」
八木 「プロである以上、言い訳はできないけれど、明らかに実戦不足にみえた。とはいえ、悪いなりに何とかする、という気持ちを見せてほしかった」
―― それでも一番に据えた岡田監督の意図は
久慈 「監督って 1 年間、戦ってきた形を大切にするんですよね」
八木 「確かに。短期決戦とはいえ、シーズンと同じ形でスタートを切りたい、と思うようだね」
―― そういう意味で先発も下柳に託した?
八木 「もともと立ち上がりが悪い投手だけれども、一回はコントロールが悪すぎた。 1 点だけなら仕方ない、と思ったけれど、ウッズの一発は余分だった」
久慈 「シモさんは、あのウッズの1球だけだったんですが・・・。致命傷になってしまった」
八木 「こうなった以上、第 2 戦は勝つしかないんだけれど・・・」
久慈 「短期決戦は 2 年前に経験したけれど(ロッテに 4 連敗)、流れを変えるのは至難の業なんです。どうしようもなかった。今さらどうしろ、なんて言えない。大敗を忘れて、いかに気持ちをリセットするか」
八木 「ことしの最終戦になるかもしれないから、キャンプからやってきたことを思い出して、悔いの残らない総決算の試合をしてもらいたい。それしか、いいようがないなぁ」


2007.09.24
●阪神 4 - 5 横浜【横浜球場】
球児よ、下を向くな
八回二死無走者からの内川への四球が藤川の現状を物語っている。カウント 2-0 から粘られて歩かせてしまった。球速は出ているが空振りが取れない。彼の“悩み”がわかっているから責められない。打者心理からすれば、それでも、打ちづらいという事実を認識して“自信”にしてほしい。
八回からの投入に対し、いろんな“意見”があるだろう。ウィリアムスの体調を考えれば「球児で 2 イニング」に違和感を覚えない。それよりも何度も言われていることだが、先発陣のふがいなさに怒りを感じる。四回に 3 点の援護を受け、その直後に四球絡みで同点に追いつかれてしまった能見から気迫が伝わってこない。この 1 敗で今まで以上に苦しくなった。点が入った直後の回は全力で投げる姿勢を先発に求めたい。
藤川で落とせば痛い。しかし、全幅の信頼を寄せる守護神が打たれて負けたのだから、仕方がないと思える部分もある。下を向くことなく、視線を上げて残りの試合を戦ってほしい。ボクが望むのはそれだけだ。


2007.09.16
●阪神 0-7 中日【甲子園球場】
カギを握る鳥谷の復調
優勝に向けて、最後のヤマ場を乗り越えるには、鳥谷の復調が待たれる。 10 連勝中、打線に勢いをつけていたのが 1 番の鳥谷だ。ところが、状態が悪くなるのと、初球が振っていけなくなる悪癖が出る。前回の巨人との 3 連戦では放った 5 本のヒットはすべて追い込まれる前にさばいたもの。警戒される中での再対決は、ボールの見極めでいかに優位に立てるかだ。
一死満塁の反撃機に、 2 度とも中田に抑え込まれたこの日。四回の矢野さんの併殺打は連続四球の直後の初球狙いで、結果は責められない。八回の浜中は、カウント 1-2 からイチ・ニのサンで狙いにいった真っ直ぐを中途半端に空振り。局面は違うが、連続三振のあと、六回の打席で 150 `近い速球に振り負けせず、右前にはじき返した金本さんとの対応力の差が出てしまった。


2007.09.04
○阪神 3 - 2 横浜【甲子園球場】
能見立ち上がりから抑えにゃ
この日の甲子園は蒸し暑くて、試合が辛かったと思うが、能見は立ち上がりが悪かった。コントロールが悪く、矢野さんの構えているところより球が高くきていた。
一回に相手のミスから 3 点もらって、勝てたからいいようなもの。 4 度先頭打者を出した上に 4 四球は多いし、もったいなかった。 1 失点でしのいだが、チーム全体の流れが悪くなってしまう投球パターン。守っている方も、攻撃のリズムをつかみにくくなる。
これからの厳しい戦いで、 1 戦も負けられない。その中で先発ローテとしてもやっていくなら、やはり立ち上がりから、キッチリと抑えてほしい。上位チームが相手なら、この試合のようにはいかない。
横浜も死にものぐるいで勝ちに来なければならないはずなのに、明らかな自滅。暴投やバント処理のミスが、得点に絡むのはどうしようもない。普通のプレーを、普通にできる チームが勝つ。どちらも目標がはっきりとしているが、横浜にはそれが全く見られなかった。


2007.08.31
○阪神 6 - 4 ヤクルト【甲子園球場】
集中力を見せてくれた「ここぞの一発」
試合の流れを変える価値の高いホームランだった。二回二死一、二塁のチャンスを二走・鳥谷のけん制死で失い、三回にラミネスの 2 ランで同点とされていた。確かに石川のスライダーは真ん中に入ったが、安打ではなく一発で仕留めたことが大きい。石川も立ち直りかけていただけに、勝敗の分岐点になった。
左ひざの痛みは本人しか分からないが、これまでのケガに比べても重いようだ。それでも本人は「付き合っていくよ」と気丈に話していた。グラウンドに出れば守備、走塁にも全力を尽くす。個人的には数字の目標もあるかもしれないが、最もこだわっているのが「ここぞの 1 本」。その集中力を見せてくれた。
大黒柱がいる限り失速は無い。


2007.08.26
●阪神 3 - 6 中日【ナゴヤドーム】
上下のバランス最悪・・・林が心配
この 3 連戦で感じたことは中日投手陣の懐の深さ。二、三回の一死満塁で犠飛という最低限の仕事ができなかったことが敗因のひとつだろうが、あれだけ低めに、しかも威力のあるボールを投げられたら、そう簡単には打てない。またチーム全体の三振の多さをファンは気にするかもしれないが、これも野球。今回は相手が一枚上だったと割り切るしかない。
その中で不安材料となっているのが林。上半身と下半身のバランスが最悪で独自の間がなく、上体だけで振ろうとしている。ここまでなかったことが不思議だが、今が“底”の状態。打率も気になり始めているはず。こればかりは自力で打破するしかない。どれだけ中身のある“引き出し”を作れるか。それに尽きると思う。
貯金を作って夏のロードが終わった。ボクたちの頃は勝ちたいと思っても勝てなかった。相手に見下ろされていた。しかし今は違う。対等以上に戦えている。中日の底力を感じると同時に、 OB としてタイガースの成長を実感しているのも事実。これからは我慢比べ。自分たちの野球を貫いてほしい。


2007.08.25
○阪神 2 - 0 中日【ナゴヤドーム】
岩瀬の継投で虎ベンチ安ど感
九回の攻防は最善策を取った中日の投手起用が結果的には裏目と出た。小笠原から岩瀬への継投で阪神ベンチには“安堵感”が漂ったはず。その中で林が抜いたボールを仕留めて犠飛。矢野さんも適時打で続いた。それまで小笠原の前に手も足も出なかったことを考えれば、この交代が勝負の分かれ目となった。
それにしても小笠原はよかった。球持ちがよく、 140 `の真っ直ぐでも打者は差し込まれてしまう。低めへのコントロールが抜群で、ゆったりとしたフォームとボールの伸びとキレのギャップが最大の武器。第 2 戦の朝倉同様、クライマックスシリーズを考えた場合、対策は不可欠。
ナインが八回までの 15 三振の中身を吟味し、整理してから次回の対戦に臨んでほしい。


2007.08.24
●阪神 1 - 8 中日【ナゴヤドーム】
この一敗教訓にシュート捨てろ
下柳さんは 4 連敗となったが理由は制球力。ボールが高くて甘い。走者を背負っても「それなりに・・・」が真骨頂だが、コントロールに自信がない分だけに粘りを発揮できない、というのが現状だ。
リリースポイントの紙一重の部分が問題で、本人も原因はわかっているはず。修正できると信じて今は待つしかない。大ベテランがスランプに陥っている、とういことはナイン全員の共通認識。だからこそ、一回の赤星のバント失敗はいただけない。
朝倉の好調の原因はシュート。この球種は練習できず、打者にとっては「やっかいな存在」。右打者は内角を意識するあまり、外角が遠くに見え、甘いコースでも逃してしまう。左打者は追いかけてしまう。前回の対戦でも苦戦しており連打は難しい。
それだけに、赤星にはきっちりと送ってほしかった。また 5 点目を奪われた直後の 5 回無死一塁で、ウッズの遊ゴロで併殺を取れなかった鳥谷の守備にも言及したい。待って補給して結局、打者走者のウッズをアウトに出来なかった。あそこは思い切ってチャレンジするべきで、その姿勢が投手に勇気を与えるケースがあるだけに黙認できないミスだった。
残り試合が「 40 」を切った今、相手に流れを与えるようなミスは厳禁。朝倉にはシュートを捨てて、他の球種にヤマを張る打席も必要。いずれにしても、クライマックスシリーズで中日と対戦する可能性は大。この 1 敗をいろんな意味で教訓にしてほしい。


2007.08.17
○阪神 3 - 1 広島【京セラドーム大阪】
失投見逃さない典型例
広島の先発・宮崎は 140 `後半から 150 `の速球を投げていたが、シュート回転していた。左打者の外角にはあえて投げ、四回に林が二ゴロに打ち取られたのもそうだった。
シュート回転していると打球が飛ぶ。長打力のある打者なら、本塁打の可能性があると思っていたが、桜井が甘い球を逃さずに打った。初球の外角真っ直ぐを見逃し、 2 球目の内に入った同じ速球をコンパクトに振った。強振しなくても、タイミングさえ合えば入ることも分かったと思う。
相手投手の状態がいいときは、そう簡単に打てないし、大量点も望めない。上位チームになると、なおさらバッテリーの攻めも厳しくなる。そんな中でも失投を逃さないことが勝利につながる。その典型的な例が、この桜井の本塁打だった。
混沌としているペナントレース。こういう接戦を拾っていくことが、クライマックス・シリーズ進出への条件となってくる。


2007.08.11
●阪神 2 - 3 横浜【横浜スタジアム】
小さなミス命取りに
初回に工藤さんを乗せてしまった。 1,2 番でチャンスを作ったが、シーツ、金本さんで 1 点も取れなかった。工藤さんの立ち上がりが悪いのは、巨人時代から変わっていない。二回から六回までは 3 人ずつで終わり、チャンスもなかった。
工藤さんも移籍してから本拠地の横浜で勝ちがない。気合は十分でしかも丁寧に投げていた。最初は球速も 140 `出てなかったけど、途中から 145 `を計時。カーブもストレートも走っていたし、お手上げだった。
対照的に、一回の守りで林のエラーは痛かった。暴投も絡んで、先制を許して後手に回った。疲れも出てくる頃だが、上位 4 チームが競っている中で小さなミスは命取りになる。ロード前半は残り 1 試合だが、もう一度気を引き締めていい形で大阪に帰りたい。


2007.08.10
○阪神 8 - 6 横浜【横浜スタジアム】
浜中が刺激・・・桜井
桜井の活躍には浜中の存在が大きい。同じ右打者で同じ外野。自分の置かれている立場を考えれば、刺激にならないはずはない。
赤星は首の状態などを考慮されて左投手のときはスタメンを外れているが浜中が加わったことで実質 3 人で 2 つのポジション争う状態になっている。苦労して一軍に上ってきて今の地位を得た。絶対に手放したくないはずだ。もし今岡が復帰してシーツも好調なら、林も外野に入る可能性がある。
さらに三回、代打で貴重な2点適時二塁打を放った。葛城も忘れてはいけない。一塁、外野と守れる力がある。非常に激しい競争だ。しかもチームは上を狙える位置まできた。これからは走行守すべて失敗が許されなくなる。桜井は守備の上達も求められる。
去年までの阪神は固定された打順が強さだったが、今はこの形がいいと思う。毎日オーダーが変わるような選手の使われ方が、互いに相乗効果を生んでいる。ベンチの起用に悩むほどチーム力は上がっていく。こうやって力をつけてきたチームは、相手にとっても脅威のはずだ。


2007.08.09
△阪神 2 - 2 巨人【東京ドーム】
桜井へのライバル心が呼んだ
浜中の本塁打を何本も見てきたが、彼らしい、柔軟性あふれる一撃だった。桜井の長所が思い切りのよさなら、浜中はフルスイングしなくても、フェンスの向こうに運べる技術。打順で 2 人を並べたことで、互いに意識をして、そのライバル心が呼んだ一発であったと思う。
浜中が復調したことで首痛に悩まされる赤星をスタメンから外せるなど、メリットは大きい。今季の巨人戦は残り6試合。クライマックスシリーズでも対戦する可能性があることを考えれば、価値のある一発だった。
今後も高橋尚とは対戦するはず。最大の特徴はキレのいいストレートと多彩な変化球追い込まれてしまうと、金本さんや林のように左打者は特に辛い。内角にストレートがあれば、シュート系のボールもある。読み合いの過程で甘いボールを見逃さずに、仕留めることが大事。レギュラー陣は4打席の中で、それまでの傾向を考えてヤマを張る打席を設けてもいいのではないか。ハイレベルな戦いとなるだけに、準備だけは怠らないでほしい。


2007.08.08
○阪神 15 - 2 巨人【東京ドーム】
シーツは完全復活
矢野さんの場合、頭の中の大半は打撃ではなく、リード。いかにして JFK につなぐか。あるいは休ませるか−の 2 点で、そういう意味では 6 点目を叩き出した五回の 2 ランは、それ以降の余裕のある試合運びを考えた時、価値のある一撃だったと思う。
それにしても、打撃は活発だ。その中心にいるのがシーツだ。 1,2 番コンビと金本さんへの“つなぎ役”に徹している。
五回の左前打、六回の右前打ともに、自分のタイミングで打てている。以前のようにボールを迎えるのではなく、待てて打てているし、復調したと言っていいだろう。
シーツがいるからこそ、金本さんは長打を求められることなく、軽打に徹することができる。両者の役割分担が好調の大きな要因だと思う。
最後に付け加えたいのが一回、高橋由の打球を好捕した一塁・葛城の守備。あれがなければ、ボーグルソンは無失点でしのげなかったかもしれない。
打つだけではなく、「 1 打点」に相当する好守。バランスの取れた阪神の戦い方を象徴する試合だった。


2007.08.07
●阪神 2-3 巨人【東京ドーム】
ノーヒット金本心配無用
金本さんは 4 打数無安打に終わったが、心配は不要だ。ボクも経験したことだが、「痛み」は不思議なもので、連戦しているときの方が“違和感”を覚えない。この試合のように 1 日の休みがあると、患部が気になることがあり、金本さんもそうだったのではないか。
門倉とは対戦したこともあるし、中日時代はチームメイトだった。崩れそうで崩れない。ただ、やられるときはもろいというのが特徴で、その典型的な内容だった。一回、フルカウントからシーツに真っすぐを本塁打されたことで、フォークやスライダーを多投し、金本さん、林、桜井を無安打に抑え、功を奏した。
阪神にしてみれば苦手意識を持つことはないが、これから大事な試合で対戦することが考えられる。相手がいいイメージを持って臨むなら次の試合がカギ。内容を整理して、備えてほしい。
“収穫”もあった。九回一死一、三塁で桜井は上原のフォークを強振した ( ファウル ) 。結果は三ゴロに倒れたが、この姿勢を忘れずに、 8 月を乗り切ってほしい。


2007.07.29
○阪神 9-4 横浜【甲子園球場】
攻よし鳥谷 ! あとは走と守
鳥谷は打つことに関しては心配はない。積極的に仕掛けて、一発で仕留めている。相手にとって脅威で、どうしてもボールから入る。有利なカウントが増え、これからは四球も多くなり、 1 番打者としての役割を果たすことができるだろう。
ここにきて体のキレが違う。ライナー性の当たりも目立つようになった。バットのスイングも速くなり、日ごろの練習の成果が表れている。だからこそ、打撃だけではなく、走塁、守備でもレベルアップをしてほしい。
一回、仁志の打球をトンネル。打球が死んでおり、距離をつかむのが難しい場面だが、先発投手サポートするためにも確実に捕球してほしかった。走攻守での進化。素質を誰もが認めるからこそ、それを求めたい。


2007.07.18
○阪神 5-3 巨人【甲子園球場】
後半戦キーマンは赤星
中日、巨人との 12 番勝負を 7 勝 3 敗で終えることができた。原因は監督、コーチ、選手に芽生えた危機感。逆の勝敗なら、今シーズンのタイガースは終わっていた。最初のヤマ場を乗り切った選手をまずは評価したい。
この 10 試合を見ていると、やはり先行逃げ切りが勝ちパターン。先発がゲームを作り、打線がチャンスをモノにする。今まで何度も指摘されたことで、基本的な試合運びだが、阪神が結果を残すには、これしかない。
そのためには 1 番・赤星がカギを握る。 17 日の第 2 戦の 3 安打で吹っ切れたのか、一夜明けても勢いが止まらず、 2 度出塁して、 2 度ともホームを踏んだ。盗塁こそなかったが、塁に出るだけでガラリと流れが変わる。
?? ?? あとはこれから研究されるであろう桜井や坂がどこまで自分を貫けるか。とにかく、いい形で球宴期間を迎えることができた。身も心もリフレッシュして、この危機感を忘れずに、 24 日からの敵地での中日 3 連戦に臨んでほしい。


2007.07.15
●阪神 3-6 中日【甲子園球場】
挟殺プレーまずかった上園
前回と同じ内容での被弾にボクの感想は「もったいない」。木内球審のストライクゾーンは広く、打者は追い込まれるほどバットを出してきただけに野口も大胆に外してもよかったし、バッテリーの責任だと思う。
被安打 6 のうち、 4 本が有利なカウントから。追い込んでからどう抑えるかが、ローテ投手への分岐点。ストライクをとるのではなく有利な状況から、ボールになってもいいような『遊べる制球力』をつけることが必要だ。
三回の挟殺プレーも三塁・坂に早く投げ過ぎた。ベースに追い込むのが鉄則。しかし急ぎすぎたため、タッチプレーに入るはずの坂が捕手への送球を余儀なくされた。年に 1,2 回のプレーだが、守備の“安定感”も先発に求められる条件だ。
それにしても福留の五回の三塁への好返球は素晴らしかった。守備で流れを引き戻す。このことも上園に求めたい。


2007.07.04
●阪神 3-4 ヤクルト【甲子園球場】
冷静さ欠けていた今岡
七回無死一塁の場面の今岡の守りは、冷静さを欠いたプレーと言うしかない。バント警戒でやや前進守備を取っており打球も速かっただけに座ったまま送球する必要はなかった。起き上がってから投げても併殺の可能性はあったと思う。
打者の青木は俊足だが、試合前の雨でグラウンド状態もよくなかった。そういった条件を頭に置きつつ、打球の速さ 関本が二塁に入るタイミングを考えて、瞬時に判断をしなければならない。最悪、一塁に走者を残してもよかったわけで、防げたミスだった。
今岡はここ数試合、シーツとともに守りでいいプレーを見せてきた。だからこそ悔やまれるプレーだった。小さなミスが、チームの大きな流れを変えることはよくある。それを今一度、かみしめるべきだ。


2007.06.23
●阪神 4-6 日本ハム【甲子園球場】
攻めの守り、体張ったプレー必要
鳥谷は飛びつかなくても捕球できると思ったというが、判断が間違っている。五回一死二塁。 1 点リードを考えれば、際どい打球なら、意地でも外野へ抜けさせないことが必要。同点の走者を本塁へかえすことはなかった。絶対に飛び込んで、止めないといけなかった。
立ち直ったダルビッシュからは、追加点は難しい。あの五回さえリードして乗り切れば、 JFK で逃げ切ることもできた。たとえ内野安打になったとしても一死一、三塁で、打順も下位に回る。攻めの守備の結果で、 1 点を失うのは仕方がない。
遊撃手は守備の要。消極的な姿勢は、投手陣やベンチからの信頼関係も損なってしまう。鳥谷も必死にやっているだろうが、打撃だけじゃなく、1つ1つの守りの中で、もっと体を張ったプレーをしてほしい。


2007.06.17
△阪神 0-0 ロッテ 【千葉マリン】
投げた後の躍動感が違うジャン
よく投手陣が踏ん張った。守備でも鳥谷、今岡に好プレーも出たし、 JFK も力通りの投球。とくにこの日のジャンは完ぺきだったと思う。
投げた後の躍動感が以前と全然違う。暑くなったことが、体に合っているのではないか。自分から捕手に話しかけに行くのも気持ちが乗っている証拠。課題のセットポジションでも体にグラブをつけて修正していたし、この感じなら崩れる要素は少ない。
あとは攻撃だが、ロッテ先発の成瀬は腕の振りが素晴らしい。変化球を投げそうな感じで直球がビュッと来る。打てそうに見える投手が一番怖い。ソフトバンクの杉内と同じく、セ・リーグにいないタイプだ。
前日 16 日の逆転勝ちを受けて勝ちたかったと思うが、いい投手にかかればそうは打てない。赤星も復調気配だし、今後も 1 番には桜井、庄田ら勢いのある打者を入れて、攻撃の形を作っていけばいい。 1 日休んで甲子園 ( 楽天戦 ) では「行けるんじゃないか」と感じた。


2007.06.16
○阪神 11-7 ロッテ 【千葉マリン】
若手、中堅、ベテランかみ合った
九回の大逆転は先頭・金本の中前打があってこそだ。大きい当たりを捨てて、後ろにつないだ。その流れに若い選手がついていった。小林雅を引っ張り出し、引きずり降ろすところまでいった。ようやく若手、中堅、ベテランがかみ合った。
やはりミスした方が負ける。先制した阪神が流れを手放したのは、三回無死一塁から関本がバントを 2 度ファウルし、結局、併殺打に倒れたところから。九回でいえば、ロッテの遊撃手・渡辺正に失策が出たこともそうだし、無死一、二塁から関本のバントを処理した小林雅の守備。三塁で封殺できそうな打球だったが、握り直したことで犠打にしてしまった。
庄田、桜井、狩野ら若手に当たりが出て流れはいい。これをつなげるためにも、当たり前だがミスは厳禁。それを意識する必要がある。今日 17 日の試合が大きな意味を持つ。勝てばこの 1 勝が大きく生きてくる。


2007.06.09
●阪神 1-4 オリックス 【甲子園球場】
焦り厳禁、『間』を作れ
ジャンはボーク癖がつきまとってきたが、今回の二軍落ちがお灸を据える意味になったのかどうか。星野二軍投手コーチからはセットに入ってから 2 度、息をはいて投げるように指導されたと聞いた。サインを決めてすぐに投げたがるタイプだけに、それで静止して「間」ができればいい。
ソフトバンクは川崎が復帰し、本多など足を絡められる選手が多い。ヒット、四球は仕方がないとして、走者を出したとしても、どこまでセットで我慢できるか。短期間での修正になったが、同じことは繰り返せない。
もともとボールの力自体は問題ない。初対戦で、しかも外国人投手なだけに、相手打線も最初は対応しにくいはず。 DH 制もないため、パ・リーグで本来やっている攻撃の形は作りにくい。まずは自滅しないことだ。
相手先発は杉内が予想される。どんどんストライクを取ってくるので、打線に関して言えば、狙い球を絞ってたたみかけていくしかない。連打は難しい。犠打、進塁打もポイント。ジャンがしのいで、 3 点取れれば勝機は出てくる。


2007.06.03
●阪神 0-2 日本ハム 【札幌ドーム】
初球ストライク積極的に打て
グリンに完全に抑えられたが、打開策として積極性がほしかった。林の初安打が出るまで、初球ストライクを 13 球見逃していた。うち真っ直ぐは 8 球。いかに消極的だったかわかる。
対戦が少なく 1 回り目はしょうがないが、グリンは早いカウントからストライクを取りにきていた。 2 球目も見逃しては簡単に 2-0 になる。ボール球も多かったが、投手有利なカウントで勝負させられていた。
打線が 3 回り目した六回、赤星がようやく初球を打ちにいった。この日のグリンの調子を考えれば、もっと早い回から攻略するべき。もう少し安打も増えていたと思う。
七回無死一、二塁は 2 点差を考えればバントの選択肢もあった。岡田監督は強攻策に出たが、シーツは逆方向へ打つ意識も見えずただ強振していた。
相手に警戒させる意味でも、バントのそぶりを見せてもよかった。何よりも『打て』のサインを意気にかんじて、結果を出してほしかった。


2007.06.02
●阪神 5-8 日本ハム 【札幌ドーム】
狩野のリードにも問題あり
相手先発はダルビッシュだっただけに、先発が踏ん張らなければならなかった。杉山は完封してから 2 試合連続で序盤に大量失点。全体的にストライクゾーンだけで勝負する傾向が見受けられる。
三回に 4 連打されたが、相手は早いカウントから、いけいけできていた。なのにタイミングの合っていないカーブを勝負どころではつかっていなかった。スライダーや真っ直ぐも、ベルトの高さに来ていた。これでは打たれる。もっとゾーンを大胆に広く、使ってもよかった。
?? ?? これは杉山だけの責任ではなく、狩野のリードにも原因がある。稲葉に初球スライダーを本塁打されたのは、バッテリーの若さがモロに出たもの。前回の反省はしているだろうが、同じ過ちを繰り返してはプロじゃない。次のチャンスが最後と思って、打者と駆け引きしてほしい。


2007.05.31
○阪神 6-3 西武 【甲子園球場】
「 7 番・鳥谷」現状ではベスト
鳥谷の 3 ランは泳ぎ気味だったが、粘ってバットでうまく拾った。直球待ちでスライダーをさばけたのはタイミングが合ってきている証拠だ。
二回一死の第 1 打席に“兆し”はあった。内角直球を逆方向に押し返した左飛。押し込んで左翼に飛ばすというのが鳥谷らしい打球で、それが戻ってきたなと感じた。
本人は 1 番という打順に心残りがあるだろうが、鳥谷が下がることで打線に大量点の可能性が広がった。金本、今岡の 4 、 5 番は四球、あるいはヒットで塁を埋めることができる。これまではその後が続かなかった。
やはり 1 番では「塁に出ないと」という思いが無意識に働き、鳥谷の打撃を小さくしていた。打順を組み替えてきた中では、これが現状のベストではないか。 1 巡目は無安打だったが、絶好調の林が 3 番に入り、ホームランでグラマンを慎重にさせた。七回の攻撃からもつながりを感じる。試行錯誤してきた打線に、ようやく期待感を持てそうだ。


2007.05.26
●阪神 1-2 オリックス 【京セラドーム】
やはり赤星の起動力大きい
いきなり結果は出せなかった赤星だが、打席でブランクは感じなかった。相手が長身のデイビーで、微妙に動くタマが大半。小柄な打者はどうしても目線が高くなって、高めがストライクに見えてしまう。 4 打席のうち、ヒットにできたかなと思うのは五回の内角高め(直球を二ゴロ)。序盤の 2 本の内野ゴロはツーシーム系の対応が難しいタマだった。
それでも三回一死一、二塁で遊ゴロに倒れた場面では、大引の攻守に脚力で併殺を阻止。続くシーツが凡退して得点には至らなかったが攻撃でリズムのよさは戻った。八回も四球出塁後に左腕・吉田からすかさず二塁成功。主軸にお膳立てできる野手の復帰は大きい。
鳥谷は右腕の開きが早くなっているのと、振る意識が強いのかバットが体が離れ出し、打球に力が伝わらない状態だ。ただ、打順を動かすとなると赤星との 1,2 番の入れ替えだけでは済まされないだろう。いましばらく鳥谷の復調を待ち。上向かないようなら、赤星、関本という昨年の形に戻すのがベターではないか。


2007.5.25
気になってた林の活躍右肩万全にして
久慈 一軍に帰ってきて、どう?
浜中 自分でも交流戦から戻ると思ってなかったし、「完全に治してから」と吉竹コーチから言われてました。急きょだったんでビックリというか。肩が万全じゃないのに戻ってきて「大丈夫かな」と不安はありましたね
久慈 いきなりヒット 1 本出た。盗塁もして本塁ではアウトになったけど ( 笑 )
浜中 打席に立ったら、打率・ 158 でしたからね。 ( 笑 ) 。 1 打席目に出ると精神的にホッとしました。福岡に入ってから自分のス イングができたんで「いけるかな」というのはありました。前半とは全然違いましたから
久慈 けが前から調子が悪かったけど、肩の影響もあった?
浜中 それは全然ない。肩は調子がよかったんですけど、打撃は全然でしたね ( 笑 )
久慈 なんで悪かったんやろ
浜中 全然わからなくて、ビデオ見ても、ここが違うと思って直したら、違うところがしっくりこない。それが続いたんです。 1 本出たら終わりで好調を維持できなかった。今思えば、軸足のタメが全然違う。分かっていても、できていなかった
久慈 その間に林が活躍したけど、心境的には複雑やろうね
浜中 気にならないといえばウソになる。自分の責任なんで、まずは早く治すこと。自分の体が万全になれば、挑戦できるかなと思っています。
久慈 肩の状態はどうなの
連敗中焦ってた
浜中 順調にきてるし、もうすぐシートノックにも入れます。前に脱臼した時と同じ感じじゃなかったのが一番よかった。去年の秋季キャンプと同じ肉離れだったんで、治まりは早いかなと思ってました。
久慈 チームは連敗したけど、試合は見てた?
浜中 テレビで見てましたね。やっぱり気になりますし。負けが続いて、大変やろうなとは思った。そこに自分がいれば・・・とも思いましたしね
久慈 焦りもあったのかな
浜中 最初は焦りがあったんですけど。なかなか痛みが引かなかったんで、焦ってる場合ちゃうなと。「早くなさないと」というのがあった
久慈 ちょうど交流戦で、浜にいい流れできている
浜中 2 年前も交流戦がなかったら上がれてなかったここから、もう一回スタートという気持ちです。
久慈 首脳陣が決めることだけど、右投手でもDHはある。
監督の力になる
浜中 準備はしてますし、代打でも 1 打席で結果を出していくしかない。結果がすべての世界。どんな当たりでも猛打賞ですから
久慈 けがが完全に治る前に上がるのは、それだけは力が必要とされている
浜中 監督も必要としてくれていることがわかったんで、なんとか力になりたいし、戦力になりたいという気持ち。頑張りますよ
取材後記
離脱のタイミングよかった
まだけがが治っていない浜中を即先発で使ったのは、首脳陣からその力を必要とされているからだ。二軍で 2 試合しかでてなかったけど、すぐに対応できる力も持っている。
振り返れば、けがをする前から調子も悪かったし、いいタイミングでの離脱だった。悪いまま1年間いくよりは、 1 回リフレッシュできたし、交流戦 2 試合で結果も出ている。運を自分で引き寄せ、このままいってくれたらいいと思う。
レギュラーを獲るのは本当に難しい。技術だけじゃなく精神的なことも必要になってくる。プロの選手としては、チームが連敗していたことも逆に喜んぶくらいでいいんじゃないか。まずは交流戦の間にけがを治して頑張ってほしい。


2007.05.19
○阪神 6-0 横浜 【甲子園球場】
次は速球打ち砕くシーツ見たい
シーツは最悪の状態から脱した。土肥のような変化球投手であれば、十分にボールの見極めができてきた。その結果がこの日の 2 本塁打だ。
今後の課題は本格派投手への手応えだ。各球団の攻め方は同じ。真ん中高めに手を出してくると見て、その弱点を突いてくる。それを見送れるようになれば本物だ。 140 キロ以上のスピードで、そのコースなら凡打になる確率が高い。完全復活の太鼓判を押すのは、それを待ってからでもいいだろう。
考え込みやすいマジメな性格でスランプが長引いたが、波に乗り出すととまらないタイプでもある。この 2 本塁打でも精神的に余裕が生まれれば、打率を上げていくきっかけになると思う。交流戦でも打線のカギは『 3 番・シーツ』。速球を打ち砕く姿を早くみたい。


2007.5.11
○阪神 5 - 3 ヤクルト 【神宮球場】
林 3 番固定が 5 割への近道
林と金本さんの本塁打はともに完ぺきな当たり。それまでどっちに転んでもおかしくない展開だっただけに、実に効果的でもあった。 林の 3 番に違和感はまったくない。シーツが 2 安打を放ったものの、たとえ調子を上げてきても、今の状態が続くのなら、林の打順は動かない方がいい。気になったのは九回、止めたバットで投ゴロに倒れた場面。打者はささいなところから打撃が狂うことがあるので、凡打の内容にも細心の注意を払ってほしい。
林を 3 番に固定できれば、復調したシーツが 6 、 7 番を打つことになり、攻撃の選択肢も増えるはずだ。チームは 3 試合して先制しており、一時の“底”から抜け出したといえる。林、金本さんのコンビで先制点にこだわる。そんな試合を続けることが勝率 5 割復帰の近道だと思う。


2007.5.01
×中止 阪神 対 横浜 【横浜球場】
シーツのつなぎ大事
打線が苦しかった 4 月を振り返って、ほとんど金本さんが打って決めていた印象があるが、クリーンアップが打てば勝つ確立が上がるのは、どのチームでも当たり前。今は調子を落としているが、そう毎回打てるわけではない。
だからこそ、ポイントになるのは金本さんよりも、 3 番シーツではないか。鳥谷と、調子のいい赤星の 1,2 番の出塁率はいい。となれば、やはり 3 番。シーツはチャンスの時に、ボール球を打っての凡打が目についた。いい時と悪い時の差が激しかった。いかに、後ろにつなげるか。走者がいる時の球の見極め、狙い球の絞り方が大事。積極性と見極めは難しい部分ではあるが、見極める勇気を持ってほしいと思う。
去年より本塁打が減っているのは仕方ないし、それを期待するものではない。これからもつないで、つないで、という野球になる。だからこそ 3 番の役割は大きい。


2007.4.27
○阪神 3-1 ヤクルト 【甲子園球場】
金本、軽打に懐の深さ
一回の金本さんの適時打は復調の気配を見せる今岡の存在が大きい。バッテリーは「5番」を意識するので、「5番」を意識するので、「4番」を歩かせるわけにはいかない。そんな状況で変化球を確実に軽打もできる、懐の深さが出た一打だった。
また四回二死満塁で宮本の打球を好捕したシーツの守備も見逃せない。適時打以上の価値のプレーで、あれで試合が決まった。そういう意味ではクリーンアップの“合作”による1勝だった。
気になるのは鳥谷。グラインシンガーのまっすぐとチェンジアップのコンビネーションにタイミングが全く合ってなかった。最近、狙っていないボールを振らされている傾向がある。幸運な適時内野安打があったとはいえ、完ぺきにに抑えられた4打席を振り返り、振らない勇気ももってほしい。
そうすれば相手が嫌がる打線が完成する。28日から始まる9連戦で貯金ができるかどうかは、鳥谷がカギを握っていると思う。


2007.4.24
○阪神 2-1 ヤクルト 【甲子園球場】
鳥谷よ、積極的に振っていこう
シュート、スライダーを内外角に投げ分ける石川はいつもより、変化球が多め。そのぶん、阪神バッターは対応が難しかったが、鳥谷は形が崩れた凡打が目立った。
調子そのものも下降線なのか、ここにきてボールを見すぎている。この日の球審は試合開始当初からストライクゾーン広め。守っていても、そんな傾向は分かっていたはず。八回一死二塁での打席。館山のフルカウントからの1球(見逃しの三振)は外に外れたように映ったが、せめてカットする粘りを見せてほしかった。
その直前、四球で出塁した葛城の代走に出た赤松は3度けん制をかいくぐって、鳥谷の初球に二塁成功。最初のけん制で間一髪でそれだけに余計に評価できるプレー。ここで同点にできていたらと思うが、鳥谷は出塁率が落ちたいまこそ、積極的に振ってほしい。


2007.4.22
●阪神 3-10 巨人 【甲子園球場】
無我夢中さが最も必要
いくらノーマークとは言え、伝統の巨人戦、それも甲子園の3連戦に、サヨナラ打と2ホーマーなんて、なかなかできることではない。
狩野のスイングを見ていても初球から思い切りがいい。よほど今年に期するものがあるのだろう。なにか重苦い感じがする今の阪神打線にあって、こういう無我夢中さが最も必要とされていると思う。
これからは狩野も含めて、林らの力が大いに試されていくだろう。浜中が再び右肩の痛みを訴えた。チームにとって、大変ショッキングだが、これで林は右翼に固定されていくことになる。そして、狩野も右の切り札という位置付けだけでなく、今年は本職のリード面を磨いていけば、出場機会は増えてくる。新しい力で沈滞ムードをばん回してほしい。


2007.4.14
●阪神 0-6 横浜 【甲子園球場】
3人を無理なく休ませる展開に
久保田、ウィリアムス、藤川の3人を、できれば使いたくない。阪神サイドとすればこういうスタンスから試合が始まった。先の中日3連戦の"ツケ"という見方もあるだろうが、17日からのナゴヤドームでの戦いを見据えて、万全な形で迎えるための"休養"という意味合いがあったと思う。
その中で杉山は一回無死三塁のピンチをしのいだ後は、緩急を使ってよく投げた。先発ローテに入っても、違和感なく投げられるということを証明した。悔やまれるのが七回、三浦に勝ち越し打を浴びたシーン。あの場面は細心の注意を払うべきで、同点のままなら、次の回の3失点を防げたはずだ。
改めて『KJF』の存在感を示す試合となった。七回以降の攻撃でもわかるように、打線は上向きになってきた。当たり前のことだが、序盤から1点でも多くとって、3人を休ませる展開に持ち込むことが大事。この1敗を"教訓"にしてほしい。


2007.4.12
○阪神 3-1 中日 【甲子園球場】
状態がいい、技術も成長著しい林だが、打席での並外れた集中力が好結果に繋がっている。2点差を追って二死一、二塁での出番。2球目の変化球を空振りするが、暴投での走者の進塁後、1-2から外めのスライダーを完ぺきにとらえた。
本人に代打での気構えを聞くと、自分のタイミングだけを合わせていて、ヤマ張りも早打ちの意識もないという。自分のミートポイント、ストライクゾーンを把握できているから打席で迷いがない。またベンチに居るときから相手投手にタイミングを合わせ、気持ちの準備ができている。走者がいればなおさら難しいのが代打だが、前向きにこなせている。
中日の先発が右腕であろう3戦目は再び、林を先発で使えるタイミング。現状の浜中より、林の集中力に4打席であっても賭けるべきだ。


2007.4.7
○阪神 4-3 巨人 【東京ドーム】
李の前に走者を出すな
昨年 7 本塁打された李承Yに対し、バッテリーは一発を最も警戒していたはず。その中で打たれたのが痛かった。苦手とされる内角高めに矢野が要求したシュート系の球が中に入ってしまった。 4 番が打つと大量点につながる典型的な例で、とにかく李の前に走者を出さないことが先決だ。また一回は初球を右翼線に運ばれた。 V 奪回を目指す上で最重要課題となる李対策。初球の入り方を含め、再考する必要がある。


2007.4.6
●阪神 1-6 巨人 【東京ドーム】
浜中・関本に迷い
金本は、頼りになる。石井一に1打席目で遊飛に打ち取られた球が、頭の中に入っていたから対応できた。ポイントを前にし、ヘッドを効かせて打った。形が崩されていないから中段まで飛んだ。
苦手な石井一から初対戦で1本出たが、逆に相手の方が嫌なイメージを持ったはずだ。長いシーズンを戦う中では、優位に立てる。1・2番が機能して、金本も打って、点につながらないのは下位打線に大きな原因がある。調子が悪い浜中、関本は、打席の中で迷いがある。練習ではしっかり打てても、ゲームの中で出ていない。
調子がいい打者は、ボール球には手を出さない。浜中や関本もボール球に手を出さないという基本に帰ることも必要。ベンチも本人も、どこまで我慢できるか。その中でヒットを打つことだけが最大の打開策となる。
浜中に代打・林
浜中は3打数無安打に倒れ、第4打席は代打・林をコールされる屈辱だ。「頑張らなアカンな。(スイングは悪くないようだと問われて)それは悪くないんだけどね」。これで今季18打数1安打の打率・0.56。本塁打、打点はゼロだ。
関本も3打数無安打で、打率0.59に。無言のままバスに乗り込んだ。試合前のフリー打撃では、ケージ越しに岡田監督が見守った。悔しさはこみ上げるが、結果を出すため、バットを振り続けるしかない。


2007.4.1
○阪神 4-2 広島 【京セラドーム】
成長表す出塁率・583
鳥谷はコンパクトにスウィングできている。だから、右、左、中と広角にしかもライナーで強い球を打てている。選球眼もよく、四球も選んでいる。難しいボールには手を出していないし、そこはカットできている。 4 年目の大きな成長だろう。ここ 2 試合で、 1 番の鳥谷が得点の起点となっている。
出塁率が・583と高いのも、打撃での成長によるところが大きい。鳥谷が出塁すると、赤星が、バントや進塁打でクリーンアップへつなげるというパターンができる。1・2 番がうまく機能している。初回に赤星がバントしたのも、まだ安打が出てないこともあったはず。ヒット盗塁を決めたことで、あす3日からのヤクルト戦(神宮)からは、赤星もリラックスして打席に入れる。
ベンチからすれば、エンドランなど 1・2番での攻撃の選択肢も増えてくる。好調鳥谷の出塁率を生かした、この 1・2 番は非常にいい組み合わせで、相手にとっても脅威だろう。


2007.3.2
赤星との差大きい赤松
キャンプ終盤の実践から赤星が結果を出してきた。序盤は腰痛に苦しんだが、これから本格的になるオープン戦で全開していかなければならない。
走塁は攻撃。それを考えたら理想は「1番・赤星」しかない。何より彼には走塁技術がある。ベース間際のスライディングは減速してしまうものだが、赤星はトップスピードのママ入っていけるため、走塁は微妙なタイミングでも「足が入ってしまった」と思わず手を広げてしまう。
赤松との差がここ。盗塁は、チームにとって大きな武器だ。赤松がレギュラーを奪うには、今後のオープン戦で驚異的な結果が求められると思う。
守備陣では鳥谷に注目していきたい。打たれだした投手に間がほしいとき、後ろから声をかけるなど内野の中心としての役割をどう果たしていくか。まだ自分のことで精一杯かもしれないが、 4 年目の彼には期待が大きい分、求めるものも大きい。


2007.2.19
二塁・関本やや不安・・・
現状で打撃好調の関本が二塁となる可能性が高い。二遊間は内野の要。鳥谷は 4 年目でもずっと遊撃をやっている。昨年後半は三塁を守った関本にやや不安がある。三塁よりも二塁の方が負担が大きい。藤本と比べても、守備の面では劣る。鳥谷も含めてもっと球際の強さが必要で、お互いが声を出してやっていくことも大事だ。
また、今岡の守備で骨折したバネ指の不安はなくなった。あとはより力強い送球ができれば問題はない。
走塁では赤松の積極的な盗塁がいい。ただ、赤星と比べるとスタートが悪い。スライディングでも失速している。この点を改善すれば、相手からもっと警戒され、開幕一軍も見えてくるだろう。


2007.2.17
浜中よりも目立つ林
林は二安打を放ったが、いずれも甘いボールを見逃さずに打っていた。 1 本目は一死一、二塁のチャンスで、外角真っすぐを引っ張ることなく、うまく左前に運んでいた。同じ左打者の喜田と比べてもファウルが少ないし、甘い球を見逃さない。 11 日の練習試合での本塁打も、高めのフォークだった。
2 本目の安打は初球を右方向。積極的な姿勢で広角に打てば、打率は残せるし、 1 点が欲しい場面でも、一発を狙わずに状況に応じた打撃ができる。自然と打点もついてくる。
同じ右翼の浜中と比べる段階ではないが、現状では林のほうが目立っている。この調子でキャンプ、オープン戦と順調に踏んでいけば先発の可能性はある。首脳陣を悩ませるだけの素質は持っている。課題は右翼の守備とけが。右翼を守るなら、ある程度の肩の強さもほしい。二軍にいたときに腰痛とかあったが、とにかくシーズンに入って大きなけがをしないこと。課題を克服していけば、必ず結果は出ると思う。


2007.2.16
手術した手首の不安なさそう。
試合用よりも重いマスコットバットを使って、サク越を連発した中村は見る限り、手術した手首の不安はなさそうだ。
新井とともに 40 分受けたノックでもグラブさばきはさすが。だが、足の運びのほうは早々にへばっていた。この時期の合流で、首脳陣からも調整遅れは考慮されるだろうが、本隊合流となれば、下半身の仕上がり具合がライバルとの大きな差になってくるかもしれない。
各選手がペースアップする時期、ここまで自主トレだけで生きたボールを打ち、打球を受けていない点も不安材料だ。実績は十分なだけに打席、守備位置での目慣らしを重ねていけば、結果は期待できる。ただ、入団が決まった場合、開幕( 3 月 30 日)をにらんで万全を望むのは酷ではないか。


2007.2.4
無理する必要なし赤星
赤星は新しいタイプのバットに変えて、自主トレから振り込んできた。昨年の成績もあるし、選手会長という立場もある。今季にかける思いが強く、責任感もあって、結果が腰にきたんじゃないか。
軽症と聞いているし、無理をすることは全然ない。この時期に結果を残さないといけない選手でもない。無理しながらやって、打撃フォームを崩すことのほうが心配で二次的な故障を誘発する可能性もある。
むしろ、キャンプ3日目という早い時期でよかった。ここまで順調にきていたし、早い球に慣れるのは実践になってからでも遅くない。まずは焦らず、ゆっくり休んで、万全の状態に戻すことが先決だ。


2007.2.3
「一軍に入る!」気持ち強く持て 喜田は手首が早くなるなど、技術的な修正ポイントがある。それは打撃コーチにお任せするとして、何としても今年は一軍に入るんだという気持ちを強く持つこと。それに尽きる。
6 年目。期待されながら、毎年同じことの繰り返し。二軍で成績を残しながら一軍に入れない。“二軍以上“の技術はあるが、守る場所がなく、代打しかない現状。片岡が引退したといっても、冷静に見れば桧山、林と左打者はそろっている。普通にやっていたら、これまでのように枠からもれる可能性が高い。
とにかく、首脳陣に「喜田は変わったな」と感じさせること。それには、実践で強烈にアピールするしかない。
「何が何でも!」という気持ちが強く出たキャンプ生活を見せてほしい。


2007.2.2
もう大丈夫、今岡。いきなり!岡田監督猛ノック。
送球無しで本格的な特守までとはいかなかったが、今岡が初日からサブグラウンドでノックを受けたことは、ここ何年か、なかったのではないか。午前中の岡田監督のノックも、もちろん期待の表れ。自分の現役時代を振り返っても、(所属チームの)監督からノックを受けた記憶はあまりない。後は、本人がどう感じたかだろう。
状態自体は、そつなくこなしたというのが率直な感想。普通のレベルまで来ていると思うし、初日としてはよかった。ただ、まだ指にかけて思い切り投げているわけではないし、ここからのハードルは本人次第。どこで、上げていくか。打撃のほうは、前半は流していたけれど、後半は力を入れて振っていたと思う。合同キャンプの合流日( 1 月 29 日)も見たが、その時と比べてもだいぶ違う。彼のレベルではまだまだだと思うけれど、こちらも初日としてはいい内容だったと思う。


2007.1.23
4 年目の余裕、 2 ケタ走れ
盗塁は打者との兼ね合い。 7 番だと、次打者が歩かされるなど作戦面の問題もあるが、鳥谷は普通に走れば早い選手だ。最低でも2ケタはしてほしい。
下位打線でも、得点圏に走者が進むと守っているほうは嫌なものだ。それに走る格好をするだけでも、捕手を揺さぶることができるし、これまで走らなかっただけに、オープン戦から「今年は違うぞ」という姿勢を見せることで相手を警戒させることもできる。
阪神はそこそこ走る選手はいるのに、走らない。赤星に頼っている部分が多い。鳥谷も今年で 4 年目。いろいろ投手を見てきて、相手を理解しているだろうし、研究すれば案外クセは見つかるもの。盗塁はベンチとの信頼関係だし、鳥谷がその信頼を得るかどうかは、本人の意識次第だ。
3 年やって余裕も出てきたと思う。守備、そして走塁でチームに貢献した上での打率 3 割以上に期待したい。走攻守、トータルで可能性を持っている選手だからね。


2007.1.22
赤星がタイ・カップ型をやめたのは、思い切った決断だ。ボク自身も現役時代に同じタイプを使い、同じようにグリップを年々細くしていたが、タイ・カップだけは変えなかった。重さも感覚も全然違ってくるが、右方向へ強い打球を打ちたいという表れだ。
もともと右方向へ打てるタイプ。バットだけじゃない。ただ、グリップが細いとヘッドが効きやすく、引っ張りやすくなる。重さも 910 グラムと軽い。シーズンの中で、体が小さいとへばる時期があるが、負担を減らす効果もある。
秋から新しい打撃フォームにも取り組んでいる。軽量のスパイクも含めて、全てを一新するのは、昨年が不本意な成績だからできること。あとは実践の中でどれだけ成果が現れるか。春季キャンプでは、新しい赤星が見られることに期待大だ。

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